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震災の「忘れない」で考える事

3.11が近づくと特に頻出する「忘れない」という言葉。

これは捉え方としては危うい面もあると最近気づいてきた。
3.11に関して言われる「忘れない」は、被災者が「忘れられるのが怖い」という不安を受けての「忘れない」であり、被災していない地域の我々が被災地のことを「忘れない」ということであり、先人の言い伝えをいつの間にか忘れ津波を再び受けてしまったことや、その他様々な問題に対する教訓としての「忘れない」であると思う。

これらとまた違う立場の「忘れない」がある。
被災者ご自身の震災経験としての「忘れない」だ。
どちらかといえば「忘れられない」かもしれない。

もちろん忘れられなくて当然だと思うが、そこに囚われすぎて前を向けない方がまだ大勢いる現状がある。想いは大切にしたいが、私達は「過去」ではなく「現在」を生きている。与えられた命、生かされた命には何かしらの意味があるはずだ。与えられた命に感謝して「現在」を大切に生きる。そう思えるようにするには一体私達は何ができるのか?5年目の課題のひとつはそこにあるように思う。

修行の教えで「執着は身を滅ぼす」と先生や先輩がよく口にする。「忘れられない」を執着という言葉に言い換えると少々乱暴な気もするが、現在に生かされていることに感謝できるかどうかでこの「忘れられない」の意味もだいぶ違ってくるとも考える。

非常に難しい問題ではあるが、世の真理でもある。
いつも同じ自分でいるようでいて、本当は細胞も入れ替わり立ち替りしているので毎日が違う自分だ。
そして周りもくるくると同じように変化している。
一時として同じ「いつもの日々」はないのが真実だ。
日々に感謝して生きていたい。
この世は無常ですから。

29年後のチェルノブイリとは

ウクライナの汚染地域で事故に直面し、看護師として現地の状況を見続けてきたタチアナ・アンドロシェンコさんを招いての講演会。
今回埼玉と東京の講演を2度にわたって聞いてきました。ものすごく興味がありましたので。埼玉では3次会までご一緒させていただき、避難当時の詳細も知ることができて、昨年チェルノブイリで聞いた話と照らし合わせながら、より当時の状況が鮮明になった気がします。
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チェルノブイリは”展示されている”

こちらの記事

Screenshot of gigazine.net

チェルノブイリをドローンで撮影した映像の紹介記事ですが、、、

「世界初公開」と紹介されてるけど、空撮シーンは確かに初かもしれないが、見た感じほぼガイドが連れていってくれる場所のように思います。

自分が行った場所がほとんど、、、

前々から思っていたのですが、いつもこちらのサイトはチェルノブイリと放射能に関する記事はネットで拾った情報をつなぎ合わせただけの内容で、雰囲気だけ作って煽る感じが気になっています。
内容が凄く抽象的。

まあ、そういう仕立てなのでしょうけど。

福島という現実を抱えている我々日本人はもう少し知るべきだと思っています。

福島第一原発事故という現実が起こったのに、未だにチェルノブイリに幻想を抱いてる人が多すぎる。
そして福島に対しても漠然と幻想を抱いている。

取り上げるなら極力事実を伝えて欲しいものです。

ウクライナ人を招いての講演会だって毎年どこかしらで開催されている。そういう場所に記者の姿ってないんですよね不思議なことに。

ちなみに文末に

ガスマスクはいつ片付けることが、、、

とありますが、これは片付けられることはありません。

観光地化されているチェルノブイリゾーンでは、ガスマスクや人形などの残骸はいわば展示品としてそのままにしてあります。

いわば廃墟をそのまま生かした博物館のようなものです、チェルノブイリゾーンは。

「これは、やっぱり事故当時のまま残っているの?」
と尋ねると

「どこかの誰かが撮影のためにわざとセッティングしたんだろう」
とガイドが言うこともありました。

草木はそのままですが、意外と人の手が入っているのです。

大きなミュージアムなのです、チェルノブイリは。

コパチ村の幼稚園
コパチ村の幼稚園

 

プリピャチの標識前にて
プリピャチの標識前にて

 

プリピャチの文化センター内のプール
プリピャチの文化センター内のプール

 

プリピャチの遊園地。観覧車は事故が起きた4月26日の数日後にオープン予定だった。ちなみに「今のウクライナには遊園地がない」とガイドの女子大生がぼやいていました。
プリピャチの遊園地。観覧車は事故が起きた4月26日の数日後にオープン予定だった。ちなみに「今のウクライナには遊園地がない」とガイドの女子大生がぼやいていました。

 

かつての都市も今は森の中。奥には新石棺が見える。ガイドが特別に建物の屋上へ案内してくれました。
かつての都市も今は森の中。奥には新石棺が見える。ガイドが特別に建物の屋上へ案内してくれました。