知的資本論〜自由とは

昨日ちょっとオススメの本を見つけました。

 

増田宗昭著

「知的資本論 すべての企業がデザイナー集団になる未来」

 

 

いま、日本で

年間10万人以上が来場している公共施設は、

3つしかない。

その3つとは、

・北海道旭川市の「旭山動物園」
・石川県金沢市の「21世紀美術館」

そして、最近話題になっている、

・佐賀県武雄市にある「武雄市図書館」

人口たったの5万人の市の図書館に、

なぜこれだけの人が集まるのか。

その答えが書かれている本です。

 

 

TSUTAYAの増田社長と、武雄市長の樋渡市長の対談形式で

×「いい商品だから売れる」時代ではない。

◎「ライフスタイルを提案できる人が売れる」時代。

というこれからのビジネスステージについて書かれている本ですが、

 

 

 

私が個人的に印象深いのは増田氏の「自由」についての定義。

今の日本には「自由」の意味をはき違えている人が多いと感じていますが、本来の「自由」の意味をわかりやすく述べているので、是非読んでください。

 

自由とは楽なものではないのです。。。

ゾーン労働者の待遇

ガイドの説明によると現在ゾーンで働いている労働者が3000人。
原発で働いている労働者が3000人。
合わせて約6000人がチェルノブイリゾーンで働いているそうです。
(ちなみに2012年には全ての原子炉の稼働を停止しています。)

奥には新石棺が見える。かつての都市も今は森の中。
奥には新石棺が見える。かつての都市も今は森の中。

労働者について補足説明すると、ゾーンの労働者は被曝線量の管理のために、15日間しかゾーンに滞在できません。
半月働いたら、半月はゾーンから出ないといけないわけですね。
しかしお給料は一般的な平均月収並みの5000grn(フリブニャ)をもらえるそうです。単純に労働時間で計算すると、割といい条件なわけです。
さらに、ゾーン内での宿泊費と食事代は無料なのですから、結構優遇されてるんだなあと私は思ったわけです。

だってあれだけ「お金がない」と言っている国なのに、、、こういう所で莫大なコストかかってれば、そりゃ厳しいのは当然だろうと。

食料については汚染されていないものを外から運んでいるらしく、そういう意味での配給だと思いますが、それなりのコストがかかるので、ゾーン内の物資というのは「チェルノブイリ価格」になっているらしく、全体的にウクライナの物価より少し高いらしいです。

原発の社食。レストランに見えるがボルシチを始めとしたウクライナの基本食が中心で、給食のような感覚らしい。とにかく量は多かった、、、この他にデザートもついた。
原発の社食。レストランに見えるがボルシチを始めとしたウクライナの基本食が中心で、給食のような感覚らしい。とにかく量は多かった、、、この他にデザートもついた。

サマショールが
「私の村はそんなに汚染されていない場所なんだ。そういう場所はゾーンの中に実はたくさんある。きちんと検査をして、汚染されていない場所には人を還していいと思う。そうしないのは、汚染されていない地域とわかって、ゾーンの面積が小さくなると、その分仕事も減るだろう?だから検査しないのさ。ここで働けば5000grnもらえるからね。そういう問題もあるんだ」

と仰っていたのが凄く印象的だったのです。

ゾーンということを忘れるのどかな民家で、面白い話をたくさん聞かせてくれたイワンさん。と奥様。元気な方だった。
ゾーンということを忘れるのどかな民家で、面白い話をたくさん聞かせてくれたイワンさん。と奥様。元気な方だった。

現在ウクライナではキエフなどの大きい都市以外は、仕事がなくて不景気とのこと。
そういう中での雇用のひとつとしてのゾーン内の労働は必要不可欠のものであることもまた見逃せない事実です。

日本の場合も廃炉廃炉とは言っても、一番のネックはやはり「仕事がなくなる」ことじゃないかとチェルノブイリ訪問以来考えています。
電気は代替自然エネルギーで何とかなるとは思いますが、問題はそういうことではなくて、雇用がなくなることだと思います。
それで食べていけない人が出てくるのだから。

雇用を創出できる代替え産業基盤の目処が立たないと、結局原発産業に頼らざるを得ない結果になってしまう気がしてならないのです。

だってそこに従事してる方々は生活できなくなるわけなので。

そこまで含めて考えないと、日本の未来は改まらない気がしました。

今回チェルノブイリで一番印象的だったのはこれでした。
で、現在福島では実際そういう問題が垣間見えているわけです。
除染作業員、原発内作業員、仕事を求めて全国から多くの人が流れ込んできている、、、

不景気が続く中、雇用創出という点では政府にとっても実は都合のいい事故だったのかなと斜めから見てしまいます。
「日本は放射能に屈しない」という大義名分のもと、雇用創出にお金を突っ込めるわけですから。

オリンピックも然りですが。。。

ここが解決できないと原発に限界が見えていても、抜けきるのは非常に難しい気がしています。

経済的な閉塞感の中、原発事故のコストが重くのしかかかる。
ウクライナと日本は似ています。

皆さんはどう思われるでしょうか。。。?

木々が生い茂るチェルノブイリーゾーン

7月のウクライナは夏真っ盛りだったため、ゾーンの中も草木が生い茂っていて、正直イメージと違い、随分自然豊かでのどかな風景に見えました。

チェルノブイリゾーン30km圏内手前の入口。通過する全ての人がパスポートをチェックされる。
チェルノブイリゾーン30km圏内手前の入口。通過する全ての人がパスポートをチェックされる。

森の中のように見えるが、もともと住宅地の道路。この道の両脇に家が建っていたらしい。
森の中のように見えるが、もともと住宅地の道路。この道の両脇に家が建っていたらしい。

空間線量も携帯したウクライナ製の線量計「エコテスト」では、感覚的には30km圏内は0.1〜1.0μSv/hくらいの間、10km圏内のプリピャチ市内でも1.0μSv/hくらいの感覚でした。
以外と低い。

それでもゾーンのガイドに案内してもらったホットスポットは一気に跳ね上がるところもあって、今回の旅で最高値を示したのは

45μSv/h

貯水池にはホットスポットが。奥の水辺の向こう岸は6号機、7号機の建設予定地だったそうだ。
貯水池にはホットスポットが。奥の水辺の向こう岸は6号機、7号機の建設予定地だったそうだ。
38μSv/h。このあともう少しあがって、最高で45μSv/hを記録。プリピャチにて。
38μSv/h。このあともう少しあがって、最高で45μSv/hを記録。プリピャチにて。

プリピャチの貯水池の水辺だったのですが、これにはさすがに絶句。
原発内の4号機の近くでもここまでの数値はなかったので、何も知らずにうろついた場合、ゾーンのほうが逆に危ない気がしました。。。

今回訪問したサマショールのおじいさんも
「亡くなった人達の理由のひとつは、好奇心で線量の高い所に入ったからだ」
とおっしゃっていたのですが、納得いきました。

知らずに滞在していたら、相当の被曝量になりますから、、、