「陰陽五行論」カテゴリーアーカイブ

【西洋医学↔︎東洋医学、言語↔︎言霊】

西洋医学の基本的な考え方は

一元論といって

物質(器官)がまずあり

そこに機能が付随していく。

物質(器官)ありきだから病態毎に

どんどんどん細分化していくしかないので

◯◯科というものに沢山分類されて

結局どの科へかかれば良いのかわからなくなる。

東洋医学の基本的な考え方は

二元論といって

まず働き(気血津液)があり

そこに物質(消化管、骨、筋肉などの物質)

が従う。

どちらが正しい

どちらが良いかというよりは

状況によって考え方のベースを切り替えていくほうが、応用力の幅が広がる。

言葉というのもここに当てはめられるなと

ふと考えた。

「言語」としての言葉は一元論的であり、

細分化されるものであり、

情報を伝える・分類するという

機能的なものとして利用される。

ラベルとして機能するが

そこに本質や真実は備わっていない。

一方で

「言霊」としての言葉は二元論的であり、

そこにはまず働きがある。

言霊の作用は私たちの感情を動かし

祈りとなって届き

物質世界にも影響を及ぼす。

言霊じたいに治す力もあるので、

東洋医学にもマッチする。

言語と言霊。

この2つもまた状況にあわせてベースをどちらに重視するかで、その効果もきっと変わってくる。

機能的な問題で伝わっていないだけなのに

「言霊できっとこの気持ちは届くはず」

と思って言い続けても

いつになっても伝わるはずがありません、笑

言葉の難しさはそこにあるのかも、

とふと思った次第です。

大寒③〜水は中庸であり循環である

大寒③〜水は中庸であり循環である

水が禊や清めに使われるのは

その性質にも理由がある。

水は中間の存在だ。

pH(ペーハー)は7になる。

1(酸性)〜14(アルカリ性)のちょうど中間の

性質を持つ。

祓うとはフラットな状態に戻すことだ。

性質的にフラットな水が祓いに使われるのは

この観点でも意味があることに気付く。

水は中庸な性質を持って、

私たちの過不足を戻す働きかけをしてくれる。

身体のペーハー調節としての「排尿」も

その媒体は水だ。

水によって身体はきれいに保たれている。

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水は形態も中間の存在だ。

固形↔︎液体↔︎気体

水の形態は温度によって自在に変化する。

氷点下になれば氷として固形化する。

沸点に達すれば蒸気となって空間を自由に

飛び回る。

常温に戻れば液体に戻る。

状況によって自在に変化できる性質は

「空」とも言える。

一つの状態に縛られず、状況にあわせて

自由自在に在り方をさだめられる。

理想的な心の持ち方、

理想的な自分の在り方だと思う。

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そしてこの形態変化によって

水は自然界を循環している。

海から空へ、

空から山へ、

山から川へ、

川から海へ、

その循環の中には

人間も含めて全ての生命が

組み込まれている。

つまり水は循環も意味している。

水という性質を考えてみると

水を浴びて禊ぐというのは

物質的・精神的に中庸に戻す、

自分は世界の循環の中にいる、

そういう無意識への働きかけでも

あるのかなと思います。

水は有り難い存在です。

大寒②〜伊邪那岐の禊

古来から日本では禊が行われてきた。

最近メディアでよく見かけるのは、

宗像大社沖津宮の神職の海での禊だろうか。

古事記ではイザナミを追ったイザナギが

黄泉の国から戻ってきた場面で

「禊」が登場する。

筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原で

禊ぎ祓えを行った。

その際に出てきた神様が

出てくるのが禊の祓い祝詞。

九柱の神、

ヤソマガツビノカミ

カムナオビノカミ

オオナオビノカミ

ソコツワダツミノミコト

ソコヅツオノミコト

ナカツワダツミノミコト

ナカヅツオノミコト

ウワツワダツミノミコト

ウワヅツオノミコト

禍(曲)ツヒノ神と

直ビノ神に続くのは

阿曇連の祖先神のワタツミノ三柱。

ツツオノ神三柱の住吉三神。

禊(身を削ぐ)という点でみると

底、中、上の三層、

三段階の祓いになってるのが興味深い。

禊の川が河口付近であれば川の水は海の塩水と水流が重なり合う。2つの水流とその境界を含めて三層構造なのかもしれない。

面白いことに身体も三層構造が基本になっている。

血管は外膜、中膜、内膜の三層構造を基本とする。

消化管などの中腔臓器は粘膜、筋層、漿膜の三層構造。

受精卵では外胚葉(皮膚や神経系)、中胚葉(筋肉、骨格、脈管)、内胚葉(口〜肛門)、この三層が分化して人体がつくられる。

東洋医学での病気の深さは

「表証」「裏証」そしてその間の

「半表半裏」の三層で考える。

病気とはまさに三層のどこで起きてるかが問題で、治療もどこに対してアプローチするかが重要になってくる。

この世界で見れば天・人・地。

天と地に挟まれて生命は活動している。

上と下、内と外、

そしてその間の三層構造。

三層構造は五行同様に

色々なことにあてはまる。

何事も表面だけのアプローチでは

効果は乏しく、

内側からも働きかけなければ

変化は難しい。

健康という身体的な面でも言えるし、

自分自身という内面的な点でも

言えるかもしれない。

組織やコミュニティ、

社会などマクロ的な面でも

同じことはあてはまる。

禊(三削ぎ)とはなかなか

奥が深そうです。

※こんな記事を昨夜考えていたら

今日は海に入る流れになってしまった。

流されませんように、笑