古来から日本では禊が行われてきた。
最近メディアでよく見かけるのは、
宗像大社沖津宮の神職の海での禊だろうか。
古事記ではイザナミを追ったイザナギが
黄泉の国から戻ってきた場面で
「禊」が登場する。
筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原で
禊ぎ祓えを行った。
その際に出てきた神様が
出てくるのが禊の祓い祝詞。
九柱の神、
ヤソマガツビノカミ
カムナオビノカミ
オオナオビノカミ
ソコツワダツミノミコト
ソコヅツオノミコト
ナカツワダツミノミコト
ナカヅツオノミコト
ウワツワダツミノミコト
ウワヅツオノミコト
禍(曲)ツヒノ神と
直ビノ神に続くのは
阿曇連の祖先神のワタツミノ三柱。
ツツオノ神三柱の住吉三神。
禊(身を削ぐ)という点でみると
底、中、上の三層、
三段階の祓いになってるのが興味深い。
禊の川が河口付近であれば川の水は海の塩水と水流が重なり合う。2つの水流とその境界を含めて三層構造なのかもしれない。
面白いことに身体も三層構造が基本になっている。
血管は外膜、中膜、内膜の三層構造を基本とする。
消化管などの中腔臓器は粘膜、筋層、漿膜の三層構造。
受精卵では外胚葉(皮膚や神経系)、中胚葉(筋肉、骨格、脈管)、内胚葉(口〜肛門)、この三層が分化して人体がつくられる。
東洋医学での病気の深さは
「表証」「裏証」そしてその間の
「半表半裏」の三層で考える。
病気とはまさに三層のどこで起きてるかが問題で、治療もどこに対してアプローチするかが重要になってくる。
この世界で見れば天・人・地。
天と地に挟まれて生命は活動している。
上と下、内と外、
そしてその間の三層構造。
三層構造は五行同様に
色々なことにあてはまる。
何事も表面だけのアプローチでは
効果は乏しく、
内側からも働きかけなければ
変化は難しい。
健康という身体的な面でも言えるし、
自分自身という内面的な点でも
言えるかもしれない。
組織やコミュニティ、
社会などマクロ的な面でも
同じことはあてはまる。
禊(三削ぎ)とはなかなか
奥が深そうです。
※こんな記事を昨夜考えていたら
今日は海に入る流れになってしまった。
流されませんように、笑