大寒②〜伊邪那岐の禊

古来から日本では禊が行われてきた。

最近メディアでよく見かけるのは、

宗像大社沖津宮の神職の海での禊だろうか。

古事記ではイザナミを追ったイザナギが

黄泉の国から戻ってきた場面で

「禊」が登場する。

筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原で

禊ぎ祓えを行った。

その際に出てきた神様が

出てくるのが禊の祓い祝詞。

九柱の神、

ヤソマガツビノカミ

カムナオビノカミ

オオナオビノカミ

ソコツワダツミノミコト

ソコヅツオノミコト

ナカツワダツミノミコト

ナカヅツオノミコト

ウワツワダツミノミコト

ウワヅツオノミコト

禍(曲)ツヒノ神と

直ビノ神に続くのは

阿曇連の祖先神のワタツミノ三柱。

ツツオノ神三柱の住吉三神。

禊(身を削ぐ)という点でみると

底、中、上の三層、

三段階の祓いになってるのが興味深い。

禊の川が河口付近であれば川の水は海の塩水と水流が重なり合う。2つの水流とその境界を含めて三層構造なのかもしれない。

面白いことに身体も三層構造が基本になっている。

血管は外膜、中膜、内膜の三層構造を基本とする。

消化管などの中腔臓器は粘膜、筋層、漿膜の三層構造。

受精卵では外胚葉(皮膚や神経系)、中胚葉(筋肉、骨格、脈管)、内胚葉(口〜肛門)、この三層が分化して人体がつくられる。

東洋医学での病気の深さは

「表証」「裏証」そしてその間の

「半表半裏」の三層で考える。

病気とはまさに三層のどこで起きてるかが問題で、治療もどこに対してアプローチするかが重要になってくる。

この世界で見れば天・人・地。

天と地に挟まれて生命は活動している。

上と下、内と外、

そしてその間の三層構造。

三層構造は五行同様に

色々なことにあてはまる。

何事も表面だけのアプローチでは

効果は乏しく、

内側からも働きかけなければ

変化は難しい。

健康という身体的な面でも言えるし、

自分自身という内面的な点でも

言えるかもしれない。

組織やコミュニティ、

社会などマクロ的な面でも

同じことはあてはまる。

禊(三削ぎ)とはなかなか

奥が深そうです。

※こんな記事を昨夜考えていたら

今日は海に入る流れになってしまった。

流されませんように、笑

大寒①〜日本人はたぶんもっと水を浴びたほうがいい

今年もいよいよ大寒がやってきた。

例年より暖かいとは言ってもやはり冷え込むのが大寒であって、相対的に明日の朝はかなり寒いんじゃないかと思っております。

寒いと身体がびっくりします。

もとに戻そうと視床下部が働き出し

サイロキシンが分泌され

産熱作用が促進され

体温が上がります。

震え産熱も起こります。

こういう身体の循環・反応が鈍くなっているのが現代の日本人。

施術をさせて頂くと

「身体の感覚が死んでるな」

と感じる方と度々であいます。

感覚が鈍くなっている

感じる力が弱くなっている

現代の私たち。

そういう感覚を呼び起こす

身近な方法として寒の水行は

実は年間で最も効率のよいものだなと

思います。

それが修験では滝行になるわけだけど、

滝じゃなくても大寒に水をかぶるのは

それなりのインパクトを引き起こす。

身も心も引き締まるし

何より感覚が呼び起こされる。

一般的な行事として各地で寒中水泳があるのも

そういう理由だと思います。

4年前震災直後のネパールを訪ねた時、

水のシャワーが当たり前と知りました。

そして数日間、それを体験。

道端では子供が水を浴びている。

ネパールの人達がなぜか

いつも楽しそうで自由な理由の一つが

毎日水で清めているから。

私の中ではそうなってます、笑

ちゃんと清めてるから自由。

「感覚が鈍ってるなぁ」

そう感じる方には

大寒の水行、おススメします❄️

(高血圧、心臓の悪い方はご注意を)

by寒行促進委員会