「山伏日記」カテゴリーアーカイブ

蜂子様から飛んできて

今年も8月25日(土)から9月1日(土)にかけて出羽三山の秋の峰入りが行われていた。

行われていた、と書いたのは今年自分は参加しなかったから。

今年は期間中にどうしても外せない用事が一日だけ発生したため不参加になったのだが(そのかわりに八海山登拝を行った)、なんと遠くから陰ながら参加することになってしまった。

なぜならば、、、、

蜂子様からのアウトソーシング依頼が来たから。

「今日から峰入りだな、良い峰入りになりますように」

と祈りつつ眠りについた土曜の夜から、実は意識がずっとお堂の蜂子様の前に座っていた。

で、翌朝、朝の勤行をしようと神棚の蝋燭をつけるやいなやドロドロと蝋燭がいきなり溶け始める。

え、、、!?えぇっ、、、!?

ここ半年くらい自宅での蝋燭の祓いは勤行中も発生せず落ち着いていたのに、ここにきて久しぶりにガチなオート祓い発動。

八海山から帰ってきてまだ間もなく、まだ心身ともに綺麗だし(のつもり、笑)全く身に覚えがないこの突然の祓い。

一体なぜ!?何が起きた??

と鳩が豆鉄砲くらったまま拝み始める。そしていつものように神様系が終わり修験系へうつると、、、ピンときた。

「あ、これ出羽三山からきてる、、、?そういや昨夜からずっと蜂子様の前に座ってたもんな」

と気付いたら蜂子様が

「お前も祈れ」

、と。

げ、マジか!!

これはどうもお経の地の祓いじゃないとダメなやつ達らしい。神社系の峰中は基本的にお経は一切あげない。しかしそこで見守ってくださる蜂子様こと能除仙のお坊様はお経であげないとダメなものも沢山あるってことらしい。(去年もそこは強く感じた)

昨夜は峰の初夜の勤行。

下界から上がってきた修行者たちの最初の禊だからそりゃあドロドロしてるのも仕方ない。恐ろしいほど色んな穢れのごった煮だ。

お経で祓いたいタスクがあるからお前も手伝え、そういうことなんだと理解した。

蜂子様とつながってる。。。

昨年は「蜂子様へ逢いにいく」がテーマだったのだけど、しっかり蜂子様とつながってたんだなと嬉しく思う反面、

行者ってこんな感じなのかー

とちょっと驚きも。

だってはるか向こうの蜂子様からアウトソーシングで依頼されるとは!!

なんか会社みたいだ。上司と部下と変わらないじゃないか。出来ないと怒られるのか?査定が下がるのか?

なんてぶつぶつ思いながら任務にあたる。

九條錫杖の祓いから始めり般若心経、そして観音経へ。そういえば同期の一人は西日本豪雨の活動で奔走してた。そこの仏様も付いてきているようだった。そのご供養もしなければ。

そして祓いとご供養をしながら蜂子様がまたポツリと一言。

「今年は大変だ」

とな。

どうも一週間ずぶ濡れの行らしい(後に実際そうだったことを知る)

最後は陀羅尼陀羅尼だらにダラニ、、、、

一通り終わると蝋燭も落ち着き、うん、任務完了◎

とはいえ峰中は安心できないと思っていたら、翌日もやはり突然ドロドロドロドロと蝋燭が溶けはじめまたアウトソーシング開始っ!!

毎日三山拝詞などあげてから修験で祓いが一週間続いた。その間もちろん終わったはずの潔斎も復活せざるを得なかった。それが礼儀ってもんだろう。

もともと御嶽に向けての百日潔斎後、参加しないけど峰中終わるまで自分も潔斎だけ続けようかなと考えたりもしつつ、八海山の山小屋で肉が出てきてしまったので「強制終了になったから、まぁいっか」と完全離脱のつもりだったのですが、、、やはりこの世界はそう甘くはない…

しかし貴重な修行をさせて頂き、蜂子様に感謝。

来年からは参加いかんに関わらず、峰入り終わりまで潔斎で臨むことにしようと考えている。なにせ蜂子部長からアウトソーシングの指令があるかもしれないから、苦笑

法螺貝の網袋を作ってみた

先日、御嶽山から戻ってきてからそこ勢いで法螺貝の網袋を作ってみた。

なぜならば、、、今回のお山で吹き口にヒビが入ってしまったから(泣)

口金は吹き口を守る意味もあるんだなと思いつつ、貝を守るためには網袋のほうが良いと思い編み込み開始。

ほぼ丸一日で完成しました。

翌週に行く八海山は鎖や梯子が多かったので、大正解でした。

ただ白だとよごれるので、お山の行で持っていくにはやはり茶系か紫のほうがいいのかな。

吹き口付近は固く編み込むので一番時間がかかった。

房がいまいちわからず、、、

八海山は網袋で本当に良かった!

自分の法螺貝は口金を付けていないので、吹き口分の調整が失敗。

また試行錯誤して作ってみます。

ペットボトルホルダーも作ったら面白そうです。

材料はアクリル系の幅5mmの紐を楽天で購入。

そのほうが汚れも落ちやすいのでおすすめです。

意外と5mm幅を探すのに苦労しました。(3.5mmが多かったかな)

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大菩薩嶺の龍

7月14日。

大菩薩湖の龍。

神部岩で大菩薩湖に向けてご供養の法螺貝。

甲武信ヶ岳に行くつもりだったけど、

なんとなく朝の流れで大菩薩嶺へ。

さくっと調べた限りでは

信仰の名残などもほとんどわからなかったけど

大菩薩湖がダムであることを思い出しふと気付いた。

ダムに沈められ眠る歴史は沢山ある。

ここもきっとそういう場所なんだろう。

そんなことを考えながらのお山は、

途中からだいぶ雲がかってきたけど、

ここだよと言わんばかりに

なぜか大菩薩湖だけは常に日が差し続けていた。

また来るよ。

(あとでわかったのだけど、ここはこの地域に暮らしていた金山衆による妙見信仰があったらしい。北斗七星の龍?》)

筑波山の禅僧さま

先月末、月初に訪れた筑波山の件で気になっていたことがあったので師匠のもとへ。

どうもお坊さんがついてきている。

筑波山の上はとても清々しかったけど、行きも帰りも麓の道に差し掛かると浮かばれない御霊がどうも沢山語りかけてきて、頭が痛くなる。

これ、下調べでなんとなく予想はしていたのだけど、麓だけこんな感じになるのが予想外だった。筑波山は大昔から性に寛容な面があったらしく、そういう風習もあった名残で、江戸時代には遊郭に通う僧侶も沢山いたらしいので、そういう関係の浮かばれないお坊さんなのかなと予想してのご供養修行だっのですが、、、

師曰く、

「あんたの修験の先祖も出やすいだろうから、やっぱり陀羅尼かねぇ」

といわれ仏頂尊陀羅尼と大悲心陀羅尼がセレクトされた。最近後ろのお方がやりたがるので日課でも必ずあげている陀羅尼だ。

今回は理趣経をやる気がしていたのでちょっと意外だった。このふたつの陀羅尼だと内容的にも早く終わりそうだし。とかんごえるのは早計だった。

「の〜ぼ〜ば〜ぎゃ〜ば〜て〜」

仏頂尊陀羅尼から始まると、なかなか終わらない。

何度もループする勢い。

陀羅尼が止まらない。

なんとなくまだまだあげ足りない、上がりたい方が沢山いるような感覚。

なんだこれ、大丈夫かな。

あがりたいお坊さんの供養だと思っていたのに、なんかとんでもない数がいらっしゃる。

数回繰り返して大悲心陀羅尼へ。

これも3回ほど巡ってようやく終了。

師曰く、

「いっぱいあがったねぇ。あそこで供養してる途中に死んじゃった禅僧だったね。中途半端になった成仏できなかった人達、あんたに手伝ってもらってみんなあがっていったねぇ」

あー、なんかあげてもあげても終わらない感じはそういうことだったのか。後ろに沢山控えていたとは。。。しかしそんな禅僧さまだったとは。堕落したお坊さんと思っており大変申し訳ありません。まだまだ修行が足りない。

しかし禅僧殿のお手伝いができこちらも行者冥利に尽きますぞ!!

「このお坊さん、あんたに入っていったから。あんたといれば修行できるからね」

なに!?これは初めての展開…。昨年もとある頼りないお坊さんからこちらにうつってきた前科ありの入道がいたけど、まさかちゃんとしたお坊さんがこちらにいらっしゃるとは。有難いお話。

ご先祖様たち共々これからも宜しくお願いいたします、禅僧殿。

ますます陀羅尼に励まねば。

<供養>

仏頂尊陀羅尼

大悲心陀羅尼