喪中で迎える元旦


昨年5月に母方の祖母が亡くなり今年は喪中の元旦を迎えることになりました。

それにあたって喪中での元旦を迎える注意事項を調べてみたのですが、色んな説が出回っていてよくわからず、最終的に師匠に確認をとりました。

私が現在修行させて頂いてるのは神仏習合の信仰なのでこれが本来の在り方のベースになるのかなと思われます。

日本の宗教事情のややこしい所は、古来から根付いてる神道があり、そこに仏教があとから入ってきたので、それぞれの作法が完全に統制されておらず曖昧なまま干渉しあってる点だと個人的には思います。

「うちは仏壇があり仏教なので神道は信じてません」という勘違いをされてる方もいるので、その考え方や作法も神道を無視したようなデマもちらほら見受けられます。あくまで日本人は神道と仏教の両方ということを認識しておきましょう。(もちろんキリスト教に改宗してるとかであれば話は別ですよ)

それでは喪中で迎える元旦について、私が気になった点を簡単にまとめてみたいと思います。

考え方のポイントとしては古来より神道は日本人の精神のベースになっています。その基本は祓い清めです。神様は穢れを嫌うので日々私たちは心身を祓い、清めて神様と接することができます。

祓い清め担当が神様=天であるのに対して、仏様=地は穢れ汚れを担当します。お葬式は仏教のお寺さんが担当するように、神は死を嫌いますが、仏は死を丁重に扱い供養します。仏様の智慧の力によって穢れや汚れを分解、消化、そして予防する感じでしょうか。

・喪中はお札を交換しなくていいのか

親族が亡くなって50日間は忌中といって神棚に半紙をはって神様には手を触れないようにします。この間は神棚や神社、寺院への参拝も極力避けて、できるだけ家族以外の人との接触も避けるのが本来の考え方のようです。

50日を過ぎたら喪中にはいり、慶事(おめでたごと)は極力避けることになります。つまり初詣は行かないことになります。

そこで困るのがお札の交換。

お札は年に一回必ず交換しなければいけません。(お札のお御霊は一年分しか入っていないので、必ず年に一回交換しましょう)。

じゃあ初詣に行けないけどお札の交換はどうしたらいいのか?という疑問が出るのですが、どうしても必要なお札は鳥居をくぐらずに境内に入ってお札を交換します。穢れがある期間は鳥居をくぐらずに神社に入ります。

・神棚の準備はどうするのか

慶事を避けるためお正月の神棚に欠かせないお餅はあげません。注連縄はきちんと取り替えます。私の母が注連縄は年末に交換するからか「祝い事」と勘違いしてるようなのですが、注連縄は神棚の上に必ずつける常備品です。(縄が雲、紙垂が四季を表します)喪中は関係なく新年の神棚を整えるために注連縄は必ず交換しましょう。

新年は家の神様へはきちんと挨拶をします。

神道の忌中や喪中などの忌服は本来、氏神神社の神主がそれぞれの家を訪ねて神事を行う形態が基準になっているようなので、現在の事情に照らし合わせると不可解な部分が当然生じます。

また神道と仏教の両方の考え方があわさっていたりするので判断が難しいことも多々あります。

「喪に服す」というのも神道的な観点で見れば穢れを持ち込まないことが主眼ですが、仏教的な観点ではなくなった方を偲ぶ、供養することが主眼にあるので迷った時はその辺を念頭に置いて行動すれば大きな間違いにはならないでしょう。

大切なのは神仏への畏敬と故人への供養の気持ちだと思います。