「陰陽五行論」カテゴリーアーカイブ

大寒①〜日本人はたぶんもっと水を浴びたほうがいい

今年もいよいよ大寒がやってきた。

例年より暖かいとは言ってもやはり冷え込むのが大寒であって、相対的に明日の朝はかなり寒いんじゃないかと思っております。

寒いと身体がびっくりします。

もとに戻そうと視床下部が働き出し

サイロキシンが分泌され

産熱作用が促進され

体温が上がります。

震え産熱も起こります。

こういう身体の循環・反応が鈍くなっているのが現代の日本人。

施術をさせて頂くと

「身体の感覚が死んでるな」

と感じる方と度々であいます。

感覚が鈍くなっている

感じる力が弱くなっている

現代の私たち。

そういう感覚を呼び起こす

身近な方法として寒の水行は

実は年間で最も効率のよいものだなと

思います。

それが修験では滝行になるわけだけど、

滝じゃなくても大寒に水をかぶるのは

それなりのインパクトを引き起こす。

身も心も引き締まるし

何より感覚が呼び起こされる。

一般的な行事として各地で寒中水泳があるのも

そういう理由だと思います。

4年前震災直後のネパールを訪ねた時、

水のシャワーが当たり前と知りました。

そして数日間、それを体験。

道端では子供が水を浴びている。

ネパールの人達がなぜか

いつも楽しそうで自由な理由の一つが

毎日水で清めているから。

私の中ではそうなってます、笑

ちゃんと清めてるから自由。

「感覚が鈍ってるなぁ」

そう感じる方には

大寒の水行、おススメします❄️

(高血圧、心臓の悪い方はご注意を)

by寒行促進委員会

対照的なモノの中に本質は見える

陰中の陽、陽中の陰の丸ポチ。

これはお互いの中にも反対の性質は存在する、それくらいに思っていた。

でも実は「陰」よりも「陽中の陰」の丸ポチほうが如実に本質を表していて、大事なことがわかってきた。

お互いの間には対照力が働く。それぞれのエネルギーはこの対照力を理解することでよりスムーズに働く。

これをわかりやすく例えれば、

カレーライスとライスカレー。

カレーはライスの対照力があるからこそ美味いのであり、ライスもまた対照力のあるカレーがあるからその旨味を真に味わうことができる。

自分はラッキョウが食べたいがためにカレーを食べる時があるけど、それも同じことなのかもしれない。対照力を用いたほうがより本質は楽しめる。

そしてこれはいろんなことに言い換えられる。

制約があるからこそ、その中に自由があり、

自由だからこそ、そこに制約も生じる

愛するがゆえにその中に憎しみが生まれ

憎むのはそこに愛があるから。

本質はその対照力が働くものの中にある。

そのものに執着しすぎれば本質は見失われ、逆に対照となるもの中に本質は浮かんでくる。

対照力の理解は自由をもたらす。

自由自在とは「自らの在り方に縛られないこと」であり、これは言い換えれば「色々な在り方が出来る」ことでもある。(ここにも対照があり「縛られない」ことに拘ると縛られるんですね、これがまた…)

この在り方とは場所や職業や人間関係などそういう物質的な話に限ったものではなく、心の在り方でもある。

一見自由自そうに見えても何かに縛られている人は意外と多い。

片方だけに囚われるのではなく、

1.2つのバランスの中のどこに自分がいまいるのかを把握できる能力(問題の分解・解析能力)

2.そして必要に応じて往き来できる能力(すぐ戻ってこれる能力)

この二つを備えることが「自由=無」の境地。

これは身体の問題にも言えることであり、

心の問題にも言えること。

聖を求めようとするなら「聖」の中ではなく、「俗」の中にそれを求めよ。

「賢」を求めようとするなら「愚」の中にそれを求めよ。

「正」を求めるならば、「奇」の中にそれを求めよ。

湿邪〜夏越の大祓

もともとの大祓は暑い夏による

「気枯れ」「気離れ」

を祓うものですが、

新暦でずれても6月の日本は「湿邪」に侵されます。

湿邪は粘滞性や重濁性などイメージ通りの性質をもち、

脾胃を侵すといわれています。

重苦しさをもたらす湿邪はやはり気を枯れさせる性質を持ち、暦がずれてるとはいえ大祓で一度きちっとリセットするこのタイミングは案外理に叶っていると思います。

時期によって背中の張り方がくるりと変わるのがとてもおもしろくて、

4〜5月頃はみなさん普段とちがい急に右の背中がかたくなる。

(これは春=肝と関わっている)

と思っていたら6月に入り湿気が増えたとたんに

左の背中が張り出し、「胃の不調」などを訴える。

もともとも胃が弱い方は消化にエネルギーを消耗する肉を控えめにしたほうが湿邪は乗り切りやすいですよ◯

夏越の祓と陰陽五行を考える

【夏越の祓と陰陽五行を考える】
6月30日は夏越の祓。

年末の「大祓」とあわせて年に2回リセットポイントを設定しているのはさすが先人の知恵。

健康的な観点で考えても絶妙なタイミングと感じるこの頃です。
6月30日は旧暦では8月下旬頃になり、残暑厳しくなる時期、暑さで体力も消耗しつづけ体調を崩す時期。

新暦でみても6月は湿度が高まり体調を崩しやすい時期になります。
東洋医学の五行で考えると、いまの時期の体調不良は五臓のうち「脾」が弱ることで起こるものが多いと考えられます。

脾は喜燥悪湿といわれ、機能的に水液を裁く臓なので水流が旺盛で、その機能を正常に保つために適度な陽気(燥=乾燥)が必要とされます。

いまの季節は冷飲多飲や雨天・多湿環境などにより湿がもたらされ、この脾は機能失調しやすい時期です。
脾と陰陽の関係で対になるのが胃です。

胃は熱下しやすい性質のため、その性質から陰の性質である脾を適度に熱し、逆に脾は胃の熱(陽)を適度に抑えることでバランスを保っています。
湿度によって脾の機能が失調するとこのバランスが崩れるため、胃は脾の抑えがなくなることで熱化し、両者のバランスが崩れ脾胃湿熱となります。
五行でいうと脾胃は中心を担う「土」であるので他の臓腑や四肢にも関わってきます。
たとえば脾胃の湿熱は膀胱にも影響し頻尿や尿混濁など排泄にも影響。

膀胱と表裏関係の腎にも影響があるので腰痛などの発生も考えられます。

(というかここら辺からくる症状は今月の施術でもかなり目の当たりにしてます、腰痛、尿、浮腫みなど、ex.腰が痛いと言うので触ってみると腎臓の部分が硬くて、そこを緩めると急にトイレに行ってしまったり)
この時期に夏越の祓がされるというのは季節柄、心身が停滞しやすいという観点でみてもとても理にかなってるなという気がします。
ちなみに私は体質的に脾胃が弱いので梅雨時期は昔から大の苦手。

6月はテスト月間でしたが、脾は「意」=思考、推測、集中力を司るため、なかなか苦戦する時期だなと改めて感じる一ヶ月でした(^_^;)

今日明日あたりでいらないものを全部出し切ってキレイにせねば、苦笑